(新エネルギー新聞 2019年12月掲載記事を一部編集)
太陽光発電所の運用管理において最も大きな影響があるのは、雑草対策と言っても過言ではない。しかし、生えたら刈る、という対策はその場しのぎにはなるが、刈られることで草はより強くなり、結果として成長を促進してしまう。
1年間の雑草のサイクルを考慮した上で、どのようにコントロールするかスケジュール化すると良い。
そういう意味では、雑草が枯れている冬の時期に、翌年春以降の対策を考えておきたい。
千葉県の某発電所では2つの低圧発電所が隣接しており、1つは春に草刈りし除草剤も散布したところ、もう1つはまったく管理されておらず「放置された発電所」だ。
8月時点では、その差は明確で雑草対策を「する」と「しない」でここまで違うか、という印象を受けたが、その後、4ヶ月でどう変わっただろうか。
まず「放置された発電所」は、相変わらず手入れされておらず、枯れた雑草がそのまま残っている。ススキやセイタカアワダチソウは立ち枯れしていて、パネルの上を這っていたツタもそのまま枯れている。当然、発電量に大きな影響を与えているだろう。
春に除草剤を散布したところは、それ以降は何もしていないようで、残念ながら雑草が成長してしまっていた。秋に成長する雑草を軽視する向きもあるが侮ってはいけない。
雑草が生えにくい土壌にする除草剤は、効果を発揮できる期間は長くても6ヶ月程度。成長してからでは効きが悪くなるので、大きくなる前に定期的に散布することが望ましい。夏の時点ではうまくコントロールできていたので、それを継続していれば秋の雑草がここまで育つことはなかっただろう。年間スケジュールを立て先手で対策を施していくことが効果的だ。
ただ、管理の煩わしさから脱却する方法として、防草シートを敷いてしまうという究極の対策もある。これも防草シートならなんでも良い、という訳ではなく、やはり適切なものを適切に施工しなければ耐久年数がごく短くなったりもするので、使う際には十分吟味していただきたい。
(新エネルギー新聞 2019年12月掲載記事を一部編集)