(新エネルギー新聞 2019年6月掲載記事を一部編集)
太陽光発電所のケーブル盗難が頻発している。茨城県、千葉県での被害が多いようで、中には2回、3回と盗まれた発電所もある。集電箱を開けて中のケーブルを切断し、反対側の端も切って引き抜いていく、というのが典型的な手口。
「プロの窃盗団がいるのだろう。盗みやすい発電所を常に物色しているようだ」と被害にあった施工店は話している。工事中もあれば、引き渡し後もあり、大変な損害を被るが、対策はなかなか簡単ではない。
できることとしては、
- 盗みにくい、と窃盗団に思わせること
- 万一、盗まれた時の対策として保険を掛けること
ぐらいだろう。
1.については、
- 発電所の作り方で盗みにくくする
- 防犯カメラやセンサーライトを設置する
- 見回りするなど、人の気配を感じさせる
など。
窃盗団は効率良く盗むために発電所を選別しているようで、太く長いケーブルを一気に持っていきやすい作りの発電所が狙われている。同じような立地の発電所でも、盗難被害に合わないところもあり、その傾向を考えると、ケーブルが切断しにくく、1本ずつのケーブルが短めで、一気に引き抜きにくい構造が敬遠されるようだ。
また、防犯カメラやセンサーライトは、発電所全域をカバーするのはコスト的に厳しいので、集電箱やパワコン付近など、ケーブル切断時にアクセスしなければならないエリアを集中的にカバーするのも良いだろう。
人手を掛けて見回りするのは頻繁にはできないだろうが、いつも見回りしていることをアピールするような看板を設置しておくのも一つの方法だ。
ただし、盗難を100%防ぐことはできない。万一のことを考えて盗難保険には必ず入っておきたい。
通常、自然災害保険に入っていれば盗難もカバーされることが多いが、中には盗難被害を対象から外すことで保険料を安くする契約もある。
契約の中身を把握せずに保険料の安さだけで決めると、いざ盗難という時に、保険金が出ない、などという恐ろしい事態に直面するかもしれない。
安い保険に入っている、という方は、盗難も対象になっているか必ず確認しておいた方が良いだろう。
(新エネルギー新聞 2019年6月掲載記事を一部編集)
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