(新エネルギー新聞 2016年9月掲載記事を一部編集)
雑草を甘く見てはいけない。時には太陽光発電所の設備を破壊してしまうこともある。
写真を見て分かるように、発電所の敷地内は防草シートを敷設しており、それなりに効果を発揮している。基礎の杭と防草シートの境目から伸びている雑草は、予想以上の繁栄ぶりだが、まだ致命的な問題にはなっていない。
しかし、右側をよく見てほしい。ただの雑草の固まりではなく、フェンスにまとわりついた雑草なのだ。この雑草のせいで、フェンスが傾いてしまっている。
雑草があることで、風の影響を強く受け、想定以上の負荷がかかってしまうことが原因だ。
まとわりついた雑草を放置していると、この写真のようにフェンスが傾き、そのうち倒壊してしまうだろう。
2017年4月施行の改正FIT法により、安全性に問題があったり、O&Mを適切に実施していない産業用太陽光発電所は、【認定取消し】される懸念がある、ということは前回解説した。
ただ、「改正FIT法施行後に設置された発電所が対象で、それ以前のものは対象外」という、間違った認識の発電事業者も多いので、改めて確認しておきたい。
改正FIT法は、既に発電を開始している既存の発電所も、すべて対象となり、必ず対応しなければならない。
近隣住民による通報を受け付ける窓口も設置されるので、特に、外観で危険性を想起させるような場合は早急に対策すべきだろう。
上の写真のようにフェンスが傾いていれば、通報されることはほぼ確実だろう。
子供がいたずらしてフェンスの下敷きになるかもしれない。または、もっとひどい風が吹いたらフェンスが飛ばされて、近隣家屋に激突するかもしれない。
このような不安を近隣住民に与えないためにも、フェンス際の除草も適切に実施しなければならない。
(新エネルギー新聞 2016年9月掲載記事を一部編集)