(新エネルギー新聞 2018年10月掲載記事を一部編集)
主に雑草が伸びるのは春から初夏にかけてだが、秋口に伸びるものもある。
セイタカアワダチソウなどは秋にぐんぐん伸びる。
開花時期は9月、10月、11月で、背の高さは3mになるものもあるという。
実際にセイタカアワダチソウが生えている発電所は少なくないが、これだけ背が高いとパネルに影が掛かる。また、パネルの下から伸びていれば、バックシートにぶつかりパネルにダメージを与えることもあるだろう。
(裏面もガラスのパネルを選べば、裏側からのダメージはかなり防げる。)
そしてセイタカアワダチソウは茎が丈夫なので、冬が来て枯れた後も立ったままで倒れたりしない。 つまり放置していると、ずっとパネルに影が掛かったままとなる。
パネルに影が掛かって困るのは、発電量の減少だけではない。
見過ごされがちだが、常に影が掛かるという状態は、太陽光パネルにとって負荷が高く、バイパスダイオードの故障などを引き起こす危険性が大きくなる。
そもそもバイバスダイオードは一時的に影が掛かったクラスタをバイパスすることを目的としており、恒常的に稼働することを想定していない。
太陽光パネルに長時間、影が掛かること事態、通常あり得ないことであり、バイパスダイオードの耐久性は、それほど高いものではない。
影による負荷で、万一、バイパスダイオードが「開放故障」してしまうと、バイパス機能が働かず、影が掛かっているクラスタにも無理やり電流を通すことになる。
抵抗値が高い場所に無理に電流を通せば、電気ストーブ同様に熱を持って当然。いわゆるホットスポットのでき上がりで、最大500度ぐらいまで高温になると言われている。
そこまで高温になれば火災になる危険性も高く、そばに可燃性のものがあれば、燃え広がるだろう。
いずれにしろ、雑草の放置は、太陽光発電所にとって良いことは一つもない。春から初夏だけではなく、秋口の雑草についても気を配りたいところだ。
(新エネルギー新聞 2018年10月掲載記事を一部編集)