(新エネルギー新聞 2020年9月掲載記事を一部編集)
自家消費型太陽光発電の引き合いがだいぶ増えているが、工場など屋根上に設置する際に、ぜひとも気を付けていただきたいポイントがある。
それは、「パネルの汚れ」対策をどうするか。
工場などの場合、パネルの設置角度がほぼ0度ということが少くない。
これまで多くの太陽光発電所を見てきた経験から言うと、0度だと間違いなく汚れが溜まり、数年で発電量を大きく落とす要因になる。
周囲の状況次第なので一概に何年で何%下落するとは言えないが、4年程度で20%以上ダウンした現場もある。
パネルの角度と汚れの関係は、およそ次のような感じだ。
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パネルが汚れてしまえば光を遮るので、発電量が下落するのは当然の話し。
洗浄するしか発電量を取り戻す方法はない。
10度以上の場合は、それほど汚れないこともあるので、洗浄効果は発電所ごとに変わってくる。洗浄するか、しないかは、遠隔監視データを解析した上で、現場の状況も確認して決めるのが良いだろう。
5度以下の場合は、汚れること前提で、定期的な洗浄をO&Mプランの中に組み込んでおいた方が良い。ほぼ間違いなく汚れて、発電量を落とすからだ。
定期的なパネル洗浄をするには、洗浄しやすい設計も重要になる。
屋根上の場合、通路を設けずに、パネルを全面に設置してしまう設計もあるが、これは洗浄(に限らずメンテ全般)しづらい。パネルを踏むとマイクロクラックの原因となるので、できるだけ踏まないように施工したいが、通路がないと難しくなる。
また、高所作業にもなるので、設計時にはメンテナンスのしやすさを、ぜひとも考慮していただきたい。
(新エネルギー新聞 2020年9月掲載記事を一部編集)