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パネル汚れ

屋根置き太陽光発電は「汚れ」で発電量ダウン No.41

屋根置き太陽光発電は「汚れ」で発電量ダウン No.41

(新エネルギー新聞 2020年9月掲載記事を一部編集)

屋根置き太陽光発電は「パネル洗浄」前提で設計を

自家消費型太陽光発電の引き合いがだいぶ増えているが工場など屋根上に設置する際に、ぜひとも気を付けていただきたいポイントがある。

それは、「パネルの汚れ」対策をどうするか。

工場などの場合、パネルの設置角度がほぼ0度ということが少くない。
これまで多くの太陽光発電所を見てきた経験から言うと、0度だと間違いなく汚れが溜まり、数年で発電量を大きく落とす要因になる。

周囲の状況次第なので一概に何年で何%下落するとは言えないが、4年程度で20%以上ダウンした現場もある。

パネルの角度と汚れの関係は、およそ次のような感じだ。

  • 15度以上角度が付いていれば、雨水でほぼ汚れは流れ落ちる。
  • 10度だと汚れが蓄積してしまう場所と、それほど気にしなくても良い場所とが混在する。
  • 5度以下だとほぼ間違いなく蓄積する。
  • どれだけ角度があっても樹木が近くにあると樹脂等で大幅に汚れる。

パネルが汚れてしまえば光を遮るので、発電量が下落するのは当然の話し。
洗浄するしか発電量を取り戻す方法はない。

10度以上の場合は、それほど汚れないこともあるので、洗浄効果は発電所ごとに変わってくる。洗浄するか、しないかは、遠隔監視データを解析した上で、現場の状況も確認して決めるのが良いだろう。
5度以下の場合は、汚れること前提で、定期的な洗浄をO&Mプランの中に組み込んでおいた方が良い。ほぼ間違いなく汚れて、発電量を落とすからだ。

定期的なパネル洗浄をするには、洗浄しやすい設計も重要になる。
屋根上の場合、通路を設けずに、パネルを全面に設置してしまう設計もあるが、これは洗浄(に限らずメンテ全般)しづらい。パネルを踏むとマイクロクラックの原因となるので、できるだけ踏まないように施工したいが、通路がないと難しくなる。

また、高所作業にもなるので、設計時にはメンテナンスのしやすさを、ぜひとも考慮していただきたい。

(新エネルギー新聞 2020年9月掲載記事を一部編集)

  1. 掲載文書は、当協議会の関係者が、それぞれの文責で記述しています。
  2. 掲載文書中では、事例を取り上げて具体の対応に言及していますが、必ずしも原因や事象、対応を掘り下げて網羅的に記述するものではありません。
  3. 掲載文書は、主として低圧発電所を想定して記述しています。記載内容の中には高圧以上の発電所に通用するものもありますが、高圧以上の発電所に当てはめる場合は、法定の安全措置義務等との整合を考慮してください。

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