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盗難対策

太陽光発電所 ケーブル盗難の現場から No.42

太陽光発電所 ケーブル盗難の現場から No.42

(新エネルギー新聞 2020年8月掲載記事を一部編集)

生々しいケーブル盗難の痕跡
トタンと有刺鉄線による保護で盗難を免れた
引込柱と柵が近く盗みづらかったのか、ケーブルは切られていない

先日、千葉県内の低圧発電所を訪問した際に、ケーブル盗難されたばかりの現場を発見した。分割案件で10区画ほどが集まっていて、その多くが引込柱のケーブルを切られていた。切られた当日なのか、盗難の痕跡が生々しく残っていて、興味深い傾向を読み取ることができる。

まず状況を説明すると、

  • 10区画程度の分割案件
  • 柵塀は区画ごとに若干異なるが、概ねないに等しいもの(ワイヤーだけとか単管で組んでいるが容易に侵入できる等)
  • 通路の両側に区画があり、車で侵入し順番に盗んだと思われる
  • 多くはケーブルが切られていたが、2~3の発電所は無事だった


興味深いのは、2~3の発電所が無事だった点で、そこから盗難されにくい発電所にする工夫が考えられる。
端的に言ってしまうと「盗みにくい」かどうかだ。
窃盗犯の心情としては、一刻も早く現場から逃げたいのだろう。少しでも手間がかかりそうなところはパスして、盗みやすいところだけを手掛けていた。
盗まれなかったところは、

  • 引込柱にトタンと有刺鉄線を巻いて保護していた(以前に盗難にあって対策済みだった?)
  • 柵がそこそこしっかりしていて侵入しづらい
  • 引込柱の位置が柵に近く作業がしづらい


など。
無事だったところと盗まれてしまったところの差は、ごく僅かしかない。ほんの少しだけ「盗みにくい」と思ったのだろう。「ここに時間掛けるよりも他に盗みやすいところがたくさんある、そちらを優先しよう」と。

残念ながら絶対に盗まれない方法はないが、しっかりした柵を設置しケーブル切断をしづらくするなど、少しでも盗まれにくくする工夫はしておきたい。

(新エネルギー新聞 2020年8月掲載記事を一部編集)

  1. 掲載文書は、当協議会の関係者が、それぞれの文責で記述しています。
  2. 掲載文書中では、事例を取り上げて具体の対応に言及していますが、必ずしも原因や事象、対応を掘り下げて網羅的に記述するものではありません。
  3. 掲載文書は、主として低圧発電所を想定して記述しています。記載内容の中には高圧以上の発電所に通用するものもありますが、高圧以上の発電所に当てはめる場合は、法定の安全措置義務等との整合を考慮してください。

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