(新エネルギー新聞 2019年9月掲載記事を一部編集)
先日、雑草対策を「する」と「しない」でここまで違うか、というほど、はっきりした差がある発電所を見てきたので紹介したい。千葉県の事例で隣接しており、写真上が雑草対策をしていない発電所。
地面が見えないほど雑草で埋もれている。セイタカアワダチソウやススキが大人の背丈をゆうに超えるほど生育し、つたも絡み放題に絡んでいて、入り口の扉を開けることもできない。経産省が問題視している「放置された発電所」そのものだ。
パネル上にも繁茂しており、発電量が大幅に下落していることは明らか。目分量だが50%以上は下落しているだろう。
一方、下の写真はその隣で、雑草対策をしっかり行なっている発電所。
最初に伸びすぎた雑草を刈り倒した上で、除草剤を使って生えないようにコントロールしている。
上と下の写真を見比べれば、雑草対策を「する」と「しない」で、どのぐらい違うか一目瞭然だろう。同じエリアで隣接する発電所での、好対照な事例となった。
ちなみに発電所の日常管理を、遠隔監視システムのアラートメールだけに任せていると、このような雑草による発電量の下落は見逃すことがほとんど。
アラートメールは、パワコンなどの機器故障を警告することがメインで、発電量下落を詳細に指摘するものではない。なぜなら、天候要因によって発電量が大きく変わる太陽光発電の場合、詳細に発電量下落を警告しすぎると数が多くて対処不能になるからだ。
そのため発電量下落に関しては、わざと大雑把にしかアラート発報しないよう、ぼかしていることが多い。
アラートメールが来ていないから大丈夫、と考えるのではなく、月に1度ぐらいは遠隔監視のデータを解析することも重要となる。
(新エネルギー新聞 2019年9月掲載記事を一部編集)