(新エネルギー新聞 2018年2月掲載記事を一部編集)
日本海側では記録的な大雪になっており、他のエリアでも例年に比べて積雪が多いようだ。
太陽光発電所の雪害対策はどのように考えたら良いだろうか?
まず雪害で想定される被害は、
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の2点だろう。
発電量の減少を少しでも取り戻すために、パネルの上を除雪するという考えもあるが、これはあまりお勧めしない。スコップなどで雪を落とす際に、パネルを傷つける危険性がある上に、大変な重労働な割には効果が小さい。
1月、2月の1ヶ月間の発電量は、そもそも日射が少ないので年間発電量の12分の1よりも少ない。例えば50kWの低圧発電所で年間200万円売電するとして12分の1は16.6万円。1月、2月はそれよりも少ないので仮に15万円とすると、1日の売電金額は5000円程度となる。
積雪のせいで1週間売電ゼロだったとしても、3.5万円程度の損失にしかならない。年間売電金額の2%にも満たないロスだ。それを取り戻すために、無理に雪下ろしをするのは割に合わないと言っても良いだろう。
幸いなことに少しでも発電し始めればパネルが熱を持つので、いつまでも落雪せずに発電量ゼロが続く、ということはまずない。慌てず騒がず、自然に溶けるのを待つ方が良い。
次に積雪による倒壊だが、想定積雪量の200%、300%も積もるような場合は、自然災害なので、もはや仕方ない。それでも、パネルから落ちて積もった雪とパネル上の雪が一体になることは防ぎたい。
設計・施工不良による強度不足は論外だが、それがなければ事前にしっかり保険に入っておくことが最善のリスク管理となる。そして万一、発電所が倒壊してしまった場合は、みだりに近づかずプロに任せた方が良い。
太陽光発電は倒壊していたとしても、パネルに日射が当たっている限り勝手に発電している。50Vでも感電死する、と言われるが、太陽光発電所は数百V以上の電圧となっており、それが漏電してると大変危険だ。
(新エネルギー新聞 2018年2月掲載記事を一部編集)