(新エネルギー新聞 2021年10月掲載記事を一部編集)
当社が低圧太陽光発電所向けに販売している「稼ぐ太陽光メンテ」では『発電量解析を実施し、発電所にどのような問題が発生しているか?把握することがO&Mの第一歩』と位置付けている。
問題が発生していなければ最小限の対応として無駄な費用を削減し、何らか問題がある場合は、その原因を推測し、どのような対策をどんな順番で実施するのが最善かを検討する。
これが「稼ぐ太陽光メンテ」の基本的な考え方で、今後スタンダードになると思っている。
この手法の認知度を上げるために無料相談を受けているが、現時点ではまだ「パネル洗浄はいくら?」とか「草刈りは?」と、いきなり具体的な内容を指定する発電事業者がほとんどだ。自身で発電所の状況を把握した上で、具体的な手法を指定するなら良いが、突っ込んでヒアリングすると、ほとんどはそこまで検討していない。
「たぶん雑草の影響だろう」とか「きっとパネル汚れが原因だろう」などと、根拠なしに決めつけている。
言われた通りに実施することもできるが、それでは「発電量低下」の改善はできない。
そもそも「発電量低下」の原因はさまざまあり、それを見つけずに当てずっぽうで対策しても無駄金を使うだけだ。
先日、ある発電事業者から受けた相談も「発電量が低下している気がする。パネル洗浄はいくら?」だった。そこで、まずは発電量解析で現状把握から始めることを説明した。
12ヶ月移動平均で解析し発電量が顕著に下落していることを確認し、次にPCS間比較で、PCSごとに大きな差があるのか?、その差の発生時期は?、など把握した。
結論として、パネル汚れは大幅な発電量下落の主因ではない、と判断し説明した。もちろん、若干の影響はあるだろうが、PCSごとの差が大きいことや、ある時期から急速に進行していることなどから、パネル汚れとは別の原因と判断した。もし何も考えずパネル洗浄したなら、後々発電事業者から「結構な費用をかけたのに無駄金だった」とO&Mの必要性すら否定されかねない。
今やろうとしているメンテは、本当に「発電量低下」の是正に効果があるのか?、それとも当てずっぽうなのか?
O&Mで失敗しないために、根拠をしっかり検討してからメンテを実施していただきたい。
(新エネルギー新聞 2021年10月掲載記事を一部編集)