(新エネルギー新聞 2018年5月掲載記事を一部編集)
太陽光発電所にはさまざまな不具合が発生する。今すぐに対処しなければならない緊急事態から、しばらく経過観察した方が良いものまで対処の仕方もさまざまだ。
定期点検などで不具合を発見した場合、それがどのような性質のものか?、まず切り分けが必要になる。
ポイントは「緊急性」と「損害の大きさ」 で、以下の4つに分けられるだろう。
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不具合が1.~4.のどの区分に入るかで基本的な対処方法は変わる。
1.の場合は、やらなければ今すぐ甚大な損害につながるので、どうにか費用を捻出してでもやるしかない。
3.は、それほど大きな費用が掛からないだろうから、さっさとやってしまった方が安心だろう。
4.は、当面、様子見で良い。
悩ましいのは2.の場合だ。
先には大きな損害につながる可能性が高いので、できるだけ早いタイミングで改修したいところだが、どのぐらいの猶予があるのか?、が明確には分からない。
太陽光発電のO&M自体、まだ経験値が少なく不具合がどのように重大事故に進展するのか、というデータの蓄積は存在しない。さらに「費用」の問題も絡んでくる。
こればかりは個別の事象ごとに判断するしかないだろう。
いずれにしろ発電量解析や定期点検を駆使して、自社発電所の不具合を把握することが大前提だ。
ハインリッヒの法則によれば、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故が、その背景には300件の危険事象がある、という。
太陽光発電所も、軽微な不具合を見ないふり、知らないふりをすることが重大事故につながるという意識を持つべきだろう。
(新エネルギー新聞 2018年5月掲載記事を一部編集)