(新エネルギー新聞 2018年1月掲載記事を一部編集)
「発電状況が芳しくない。年間でシミュレーション値よりも下回りそう。原因究明と改善策を考えたい」という依頼を請けてスポット点検を実施した。
現場に行く前に遠隔監視システムのデータを解析したところ、7台あるパワコンの内、2台の発電量が大幅に下がっていることが分かった。
パワコンにつながっている太陽光パネルの枚数はどれも一緒だったので、本来はすべて同じ発電量になるのが理想だ。2台だけ発電量が低い原因として、以下の様な想定をした。
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これら想定を、遠隔監視システムのデータ解析と現場の点検結果を総合的に判断することで、どれが本当の原因か絞り込んでいく。
1.は冗談のようだが、実際にあった話しだ。設計図と現場が違ったり、パネルは設置されているがなぜか配線されていなかったり、という実例があるが、今回はこれではなかった。
次に計測器を使って電気的点検を実施し、2.3.も除外できた。
4.は若干パネルの汚れが目立ったが、試しに一部ストリングを洗浄してビフォーアフターの発電量比較をした結果、それほど大きな問題ではないことが分かった。
6.7.8.に関しても、現場でチェックして問題はない。
5.の影については、パネルの一部に大きく掛かっていたので、見た瞬間にこれが原因と思ったが、複合的な原因の場合もある。
他の想定を検証しひとつずつ除外していくことで、原因が影であることを明白にできた。
電柱とフェンスの影は動かせないので発電所の個性と受け入れるか、オプティマイザーの追加導入を検討するか、となる。
雑草の影については、定期的な除草で影響を最小限にすることを推奨した。
このようにしっかりした点検を行い原因を明確にすることで、やるべき対策をはっきりさせることができる。
(新エネルギー新聞 2018年1月掲載記事を一部編集)