(新エネルギー新聞 2018年11月掲載記事を一部編集)
間欠故障は、その原因特定と対応に時間がかかることが多い。上のグラフは遠隔監視システムが、間欠故障した事例だ。
最初に「間欠故障」の定義をしておこう。
・ある期間故障状態が顕現するが、何らかの理由によりもとの機能を回復し、それを繰り返す現象
常に症状が出ていれば故障原因を探ることは難しくないが、症状が出たり出なかったりだと手こずることも多い。
今回の遠隔監視の間欠故障は、解決までに約2ヶ月掛かってしまった。
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まとめてしまえばこれだけのことだが、すべての段階において「できるだけ費用を掛けないこと」を心掛ける必要がある。
何度も足繁く通って徹底的に調査すれば、すぐに治せるが、多大なコストが掛かってしまう。今回は、遠隔監視の調子は悪いが発電はしているようなので、緊急事態とは言えず、大きなコスト負担を発電事業者が納得するかは難しいところだ。
そこで1.においては、現地に行かず遠隔監視の挙動をじっくり追いかけることとした。
まず、発電所の詳細としては以下の通り。
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間欠故障の症状は、以下の通り。
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この症状から原因を推定すると次のようになる。
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推定した原因から考えられる対応を、費用が安い順に並べてみる。
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8月に症状が出てから10月まで様子見したが、徐々に症状が進行するようになったので、まずは、コストの安いところで、b. c. の対応を実施した。
すると、b. では直らなかったが、c. を実施してから症状が収まった。
交換したRS485ケーブルは外見上は不具合は見られないが、症状が収まったことで良しとし、ひとまず障害対応は完了となった。
できることなら故障ケーブルを詳細に調査して原因特定を明確にしたいところだが、その費用負担を誰がするのか、という問題が大きい。
敢えてそこには踏み込まないという、勇気ある撤退(?)もO&Mでは必要な判断となる。
(新エネルギー新聞 2018年11月掲載記事を一部編集)