(新エネルギー新聞 2021年12月掲載記事を一部編集)
千葉県香取市の発電所で、1年間通して除草剤の効果を検証してみた。
当然、除草剤メーカーは「効果はある」と言うものの、「思ったような効果が得られなかった」という発電事業者の声も多い。
そこで実際に1年間試してみたのだが、結論から言うと、きちんと使えば十分な効果を見込めることが分かった。
今回、除草剤を使用する目的として、
・生える前に散布し極力生やさないこと
とした。
使用したのはバックアップ粒剤(株式会社エス・ディー・エス バイオテック製)。
生える前に散布することで土に定着し、雑草を生やさない効果が6ヶ月程度もつ、と言われており、1年生雑草のほかススキやセイタカアワダチソウなどにも効果がある。
適正な散布量は太陽光発電所の場合30g/㎡で、1000㎡なら30kg散布することになる。
約6ヶ月生やさない効果が続くのならば、年2回撒けば1年中雑草は生えない、という考えだ。
まず1回目は春の雑草が生える前の2月25日に散布した。冬の間に枯れた雑草の上から撒いていく。1万円程度の電池式散布機を用意したところ、あっという間に撒き終わってしまった。どの方向に粒剤を飛ばすか、最初は少し戸惑ったがすぐにコツを掴めた。
2月後半に撒いたので6ヶ月効果が持続するなら、8月ぐらいまで雑草は生えないはずだ。4月29日に状況確認しに行ったところ、ほとんど生えておらず見事に抑制できていた。隣にはまったく雑草対策をしていない別オーナーの発電所もあり、そこと比較すると、除草剤の効果は歴然だ。
ほぼ完璧に抑制できていたので2回目は7月中旬に設定した。あまり早く撒きすぎて秋の草を抑制する効果が薄れても良くない、と考えた。
しかし、6、7月の雑草の勢いを甘く見てはいけない。7月17日に2回目の散布に行ったところ、予想以上に伸びてしまっていた。
バックアップ粒剤は、生える前、もしくは、少し生えた程度に効果を発揮するため、時機を失したか?、と心配しつつ散布したが、結果的には十分な効果を発揮してくれた。
伸び過ぎかと思った雑草も、次に効果測定に行った際にはしっかり枯れていた。
そして12月11日に確認したのが3枚目の写真。ほとんど生えていない。
2月と7月に除草剤を散布したことで、1年通して雑草をコントロールできたことになる。
これだけはっきりと効果が出るにも関わらず、「思ったような効果が得られない」というオーナーの声が多いのは何なのだろうか?
たぶん、
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など間違って使っているのだろう。実際、年に1回のみ除草剤散布というメンテナンス契約も少なくない。正しく使わなければ効果が出なくても仕方ない。
除草剤のことを分かっている業者に相談しながら使うと良いだろう。
(新エネルギー新聞 2021年12月掲載記事を一部編集)