長野県で太陽光発電所のメンテナンス事業を展開する株式会社トライル平良代表は、6月6日に開催された技術セミナーにて、原因不明の発電低下に悩む発電所を「発電量解析」を用いて診断し、わずかなコストで劇的な収益改善を実現した事例を発表しました。
【動画の要約】
「きれいにするだけ」では響かないオーナーの心理
同社は創業当初、雑草や汚れで発電効率が落ちている発電所のオーナーに対し、除草やパネル洗浄を提案しても「費用対効果が見えない」という理由で断られるケースに苦悩していました。単に「良くなります」という提案だけでは、コストをかけたがらない発電事業者の心には響かなかったのです。
そこで同社が導入したのが、エナジービジョン社が提唱する「発電量解析」です。これは遠隔監視装置のCSVデータを用いることで、日射量などの気象条件を除外した、発電所本来の実力値(sPR)を可視化する手法です。
事例①:1万円の対策で25%の発電量アップ
実際にこの解析を用いて解決した事例として、ある低圧発電所のケースが紹介されました。 この発電所では、機器の故障や雑草の影響がないにもかかわらず、発電量が右肩下がりに低下していました。解析の結果、特定のパターンから「電圧上昇抑制」が原因であると特定。電力会社へ設定変更を依頼し、わずか1万円程度のコストで、低下していた発電量を回復させただけでなく、過去のピーク時と比べても25%の発電量アップを実現しました。
事例②:数百万円のリパワリング前に「真の原因」を特定
また、別の顧客からは「発電量が半減したので、機器を全交換(リパワリング)したい」という相談が持ち込まれました。しかし、解析を行うと単なる経年劣化とは異なる異常な低下を確認。現地調査の結果、ブレーカー容量不足による頻繁な遮断(トリップ)が原因であることが判明しました。
結果として、高額な機器交換を行う前に適切なブレーカー交換を実施することで正常稼働を取り戻し、同社は顧客との長期的なメンテナンス契約を獲得することに成功しました。
解析ツールがもたらす「三方よし」のメンテナンス
平良代表は、この解析手法を導入したことで、約1年で95件の新規契約を獲得したと語ります。
「発電量解析」により、事業者は無駄なコストをかけずに収益を最大化でき、メンテナンス会社は根拠に基づいた提案で信頼と受注を得ることができます。
トラブル時の「最初の相談相手」としての地位を確立することが、O&M(運用保守)事業において最も重要であると締めくくりました。


