取り組みの背景
当協議会とエナジービジョン社は、共同開発した※「発電量解析」をより高度化させるため、その基礎データの収集を目的として、標題の計測を実施しています。パネルの電気的診断データがどう変動するかを把握し、発電量解析の基礎情報として活用します。
※NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発/安全性・信頼性確保技術開発」において採択を受け、一層の高度化に取り組んでいます。
「発電量解析」とは
「発電量解析」では、現在、次の2種類の解析を行っています。
(1)発電量の12ヶ月間移動平均 (2)PCS別・時間帯別日次発電量の相対比較
(1)は、発電量を日射量で除してその変動の影響を除した後、12ヶ月間の移動平均で表示し、年間を通じた変動をスムージングして可視化します。(2)は、発電の一番安定しているPCSを基準として発電量を相対比較し、日々の変動を可視化します。阻害要因によって季節や時間帯別の変動などに差異があるため、これらを元に発電阻害要因を切り分けすることが可能です。
「発電量解析」については、当法人のHPに「よくわかる発電量解析」を掲載しています。
PV遠隔安全診断システム「SoT」による遠隔・自動計測
PV遠隔安全診断システム「SoT」は、アイテス社の持つセンシング技術、太陽光パネルの故障解析技術を応用し、これまで専門技術者が現場で行ってきた電気試験を無人で行い、発電電力をストリング監視するような従来の遠隔監視システムとは異なる手法を用いて精確に異常を早期に発見するシステムです。
このシステムでは、毎日24時にバイパス回路とセルストリング回路を自動で計測し、計測データがWebクラウド上に蓄積されます。計測データは、アイテス社の独自アルゴリズムにより診断され、問題がある場合に管理者へアラートが通知されます。
本年3月15日から、茨城県桜川市にある当法人理事長(高根沢(株式会社アルシス 代表取締役))の低圧発電所(発電出力49.5kw)の10ストリングを対象に「SoT」を設置し、遠隔・自動計測を開始しました。
なお、本件取組みにより副次的に、人手によらない「電気的点検の自動化」の見極めができるものと思います。
本ページでは、読みやすさの観点から発電電力量を発電量と表記しています。