(新エネルギー新聞 2017年1月掲載記事を一部編集)
改正FIT法(2017年4月に施行)は、すべての産業用太陽光発電所に関係し、施行前に稼働済みの発電所も例外ではない。
O&Mに関連する主な内容は以下の4点だ。
1.適切に保守・点検を行い、発電量の維持に努めること
2.定期的に費用、発電量等を報告すること
3.設備の更新又は廃棄の際に不要になった設備を適切に処分すること
4.氏名、名称等記載した標識を掲げること(20kW未満は除く)
この中の、1.「発電量の維持に努めること」、2.「発電量等を報告すること」は、『日常管理をしっかりして、常に発電量を把握し、トラブルを最小限に留めること』と言い換えても良いだろう。
それを実現するには“遠隔監視システムの導入”が最も現実的だ。
遠隔監視システムを導入しなかったばかりに、発電量が激減していることに気付かず、電力会社から「購入電力量のお知らせ」が届いて、初めて大きな損失が分かった、というトラブルは少なくない。
「購入電力量のお知らせ」は、一月に一度しか届かないので、最悪の場合、1ヶ月分の売電金額がすべてパーになってしまう。売電金額をローン返済の原資にしている方も多いだろうから、返済費用を他からひねり出さなければならない。
また、自然災害保険に「売電損失補償オプション」を付けておきながら、遠隔監視がない、というチグハグな設定も見受けられる。「売電損失補償」を受けるには、どれだけの期間、発電が止まっていたのか証明する必要があり、遠隔監視がなければ証明は非常に困難だ。
高圧発電所の場合は売電ロスの金額が大きく、よりシリアスな問題となるため、遠隔監視の導入率はそれなりに高い。
しかし、低圧発電所では【売電ロス<遠隔監視設置コスト】と考えて、これまで遠隔監視の導入を見送っている発電所が7~8割はあるだろう。
改正FIT法に絡んで、『日常管理をしっかりして、常に発電量を把握し、トラブルを最小限に留めること』が、ほぼ強制となるので、遠隔監視システムの設置をまずは検討するべきだろう。
遠隔監視は、発電所の日常管理をするために欠かせないツールと言える。
(新エネルギー新聞 2017年1月掲載記事を一部編集)