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基礎工事の重要性 No.16

基礎工事の重要性  No.16

(新エネルギー新聞 2015年11月掲載記事を一部編集)

産業用太陽光発電のO&Mで、最近、持ち込まれる案件で多いのは『設計・施工ミス』の対策だ。素人工事と見紛うほど、ずさんな発電所が少なくない。

今回は、傾くマンションで注目を浴びている、「杭・基礎工事の重要性」について、太陽光発電における問題を取り上げたい。

「杭・基礎の強度不足は致命的な被害を招く」
「杭・基礎の強度不足は致命的な被害を招く」

太陽光発電所においても、杭・基礎が非常に重要であることは言うまでもないが、施工後は確認しづらい部分でもある。例えば、スクリュー杭でも単管でも、どれだけの深さを打ち込んでいるか、引き抜き強度が必要十分なだけ確保されているか、後から確認するのは容易ではない。

明らかに本数が足りないなど、見た目で判断できる場合もあるが、地盤が硬すぎて杭が入らないので途中で切って対処することもある。杭を切っても、コンクリートで補強するなど対策ができていれば良いが、対策を怠る場合もある。

台風等でパネルや架台が吹き飛んで、はじめて施工ミスが分かるということが、これから多くなるだろう(ただし、本当に施工ミスなのか、それとも、仕方がない天災なのか、という判断も必要だが)。
そう考えると、最善策は、信頼できる施工店に依頼する、というのが最も確実でコストが安くつく方法だ。

だが、すでに完成している発電所で、杭・基礎に不安がある場合はどうしたら良いだろうか?
まずは、きちんと保険に入ることだ。自然災害保険だけでなく、飛んだパネルが第3者に被害を与えた際に使える賠償責任保険も検討した方が良い。

次に、定期的に目視点検をして、小さな異常を発見できるように務めること。そして、異常を発見したら補強策を取ること。
建て直すほどのコストは掛けられないだろうから、ある程度の補強を行い、その後も、定期的に点検しながらだましだまし使い続けるしかない。

このように杭・基礎のトラブルは、後々まで祟るので、これから建設する方は、ぜひとも信頼のおける施工店を選んでいただきたい。

(新エネルギー新聞 2015年11月掲載記事を一部編集)

  1. 掲載文書は、当協議会の関係者が、それぞれの文責で記述しています。
  2. 掲載文書中では、事例を取り上げて具体の対応に言及していますが、必ずしも原因や事象、対応を掘り下げて網羅的に記述するものではありません。
  3. 掲載文書は、主として低圧発電所を想定して記述しています。記載内容の中には高圧以上の発電所に通用するものもありますが、高圧以上の発電所に当てはめる場合は、法定の安全措置義務等との整合を考慮してください。

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