(新エネルギー新聞 2018年4月掲載記事を一部編集)
野立て産業用太陽光発電所の基礎にはいくつかの種類がある。
- 杭基礎
- 置き基礎(できあいのコンクリートブロックを置いて設置する基礎)
- ベタ基礎(コンクリートを全面に打設する基礎)
- 布基礎(コンクリートを一部だけ打設する基礎)
土地の状況やコストとの兼ね合いなどで、どの基礎を選ぶか決まってくるが、比較的スクリュー杭を使った杭基礎が多く見られる。
コスト的に有利で、かつ強度もそれなりに確保できるからだ。
しかし、大きな石など障害物が土中に埋まっている場合や引き抜き強度が確保できない時などは置き基礎を使うことも少なくない。
何事もそうだが、基礎が重要であることに変わりはない。基礎がダメならば、その上の構造物がどれだけ頑丈に作られていても意味はない。
置き基礎の場合は、強風などによる上方への力をコンクリートブロックの重さだけで支えているので、その大きさ、重量が何よりも大切となり、それが足りないと途端にダメな基礎になる。
では、どれだけの重量があれば良いのだろうか?
設置エリアや設置方法により風の影響が異なり、必要な重さが変わるため、一概には言えないが、単純に言うと太陽光パネル1枚につき200kg以上は必要だろう。
上記写真の基礎の重さが、仮に1個あたり200kgだとするとパネル枚数と同数の基礎が設置されていなければならない計算だ。
ひとつのアレイに30枚パネルが載っているならば、1アレイに必要な置き基礎の数は30個。あくまでも単純化したモデルなので大まかな目安としかならないが、それでも上記写真の基礎の数(=重量)が圧倒的に足りていないことは推測できるだろう。
ただし重さが足りないからといってすぐに飛散する訳ではない。たまたま強い風が来ていないということもあるからだ。
だが20年間以上の売電期間を考えれば、軽すぎる置き基礎をいつか強風が襲うことは間違いない。
これまで見た置き基礎は「どう見ても軽すぎ」というところが多かったため、まずは基礎の重量をしっかり把握するべきだろう。
(編集者注)正確には、JIS C 8955に沿って荷重計算を行う必要がある。置き基礎重量に不安がある場合は、新設時の販売店・施工店に、基礎重量および個数を決定した計算根拠を求めることが考えられる。
(新エネルギー新聞 2018年4月掲載記事を一部編集)