(新エネルギー新聞 2018年8月掲載記事を一部編集)
地球温暖化の影響なのか、猛暑が続いている。
「太陽光発電は暑い日にたくさん発電する」と誤解している方も少なくないが、実際には猛暑は苦手だ。
まず、太陽光パネルだが、温度が1度上昇すると0.5%発電効率が下がる、と言われている。
真夏の太陽光パネルは70度ぐらいまで熱くなることもあり、定格出力300W(温度25度が基準)のパネルだと、基準より45度温度が上がれば効率は22.5%下がり、232.5Wが最大値となる。
300Wのパネルが、夏場には232.5Wのパネルになってしまったようなもので、どんなに晴れていても最大発電量は伸び悩むことになる。
余談だが、水で冷やして効率低下を抑える方法なども一時提案されていたが、水の確保が難しかったり、蒸発した後にミネラル分が白く残るなどの弊害もあり、普及はしていない。
また、パワコンも猛暑が苦手だ。
あるメーカーの取扱説明書には、使用環境温度として-20度~45度とあり、40度以上は温度抑制がかかる、と明示されている。(温度抑制とは、パワコンの温度上昇を防ぐために出力を一時的に抑えること。)
昨今のように気温が40度を超えるエリアでは、温度抑制がかかることをどう防げば良いのか悩ましいところだ。(ご丁寧にも説明書には、「冷却のためにカバーを開けたり、水をかけたりは絶対にしないこと」と書いてある。)
できることとしては、直射日光が当たらない場所に設置する、通風孔をふさがない、フィルターの汚れを定期的に掃除する、ぐらいだろう。
さらに、遠隔監視システムも猛暑には弱い。電子機器の塊なので、暑さがストレートに機器の寿命を縮めてしまう。実際、故障して遠隔監視がストップした例もある。
対策としては、やはり熱がこもる場所への設置は避ける、ぐらいか。
また、ブレーカーも温度が上がると早めにトリップ(遮断)しやすくなる。
いずれにしろ、思ったよりも夏場の発電量が低い、という場合、季節要因として暑さの影響を疑うことも必要だろう。
(新エネルギー新聞 2018年8月掲載記事を一部編集)