(新エネルギー新聞 2016年10月掲載記事を一部編集)
太陽電池モジュールの接続コネクタとして標準的な、MC4互換コネクタの焼損事例が徐々に報告され始めている。
ある低圧分譲発電所では、「A社製多結晶パネルのMC4互換コネクタで熱変形が頻発している」という。
定期点検でモジュールの電気的点検を行い断線を発見、障害位置を目視で探したところ、パネル下でコネクタのオス・メスが離れた状態で垂れ下がっていた。どうやら、熱で変形して外れてしまったらしい。
また別の現場では、「やはり電気的点検で断線を発見し、対象アレイのパネル下を探したところ、一見、普通に接続できているコネクタの中央部が熱で変形」していた。
また、まったく別の発電所でも同じ様に、「熱の影響で変形していた」とか「接続部分が焦げていた」という報告例が増加している。
このMC4互換コネクタ焼損事例の原因としては、以下のことが考えられる。
・コネクタ内部の接続が不十分で接触不良が発生、そこに高電圧が掛かることで異常発熱し、コネクタの変形、焼損を招いた
高電圧が掛かる原因は、ストリングの電圧以外に落雷によるものも想定される。
モジュールに元々付いていているコネクタの場合は、メーカーの製造起因の問題と言っても良いだろう。
モジュール配線の長さを調節するために、別売りのMC4互換コネクタに交換する場合もあるが、あまり安価なコネクタは、精度が悪いことがあるので避けた方が無難だろう。また、コネクタ交換時には適正な器具を使わなければ、トラブルになりやすい。
接触不良となれば、最悪発火事故を招きかねず、その際にはメーカー責任ではなく、施工責任が問われるため、安易に考えるべきではない。
(新エネルギー新聞 2016年10月掲載記事を一部編集)