(新エネルギー新聞 2016年11月掲載記事を一部編集)
先日、ある発電事業者から、低圧太陽光発電所のスポット点検の依頼を受けた。
状況としては、遠隔監視で「発電量が少ない気がする」とのこと。
複数の分譲区画を所有しており、他の区画と比べると、どうも発電量が少ないようだ。
O&M業者が点検しても、
「電柱の影が掛かっているので、それが原因では?」というばかりで問題はない、という。
それでも納得できず、新エネルギーサポーターにスポット点検の依頼をしてきた。
幸い遠隔監視はパワコン単位でデータが取得できる仕様だったため、数週間分をCSVで送ってもらい、それを解析した。すると、特定のパワコンの発電量が常に25%程度下落していることを見つけた。
パワコンには4ストリングが入力されていたため、「25%下落ということは、1ストリング落ちてるかな?」と当たりをつけてから、現場の点検に向かった。
問題のパワコンのストリングをソコデスで計測したところ、予想通り1ストリングが断線している箇所を発見。(ソコデス=太陽光発電システムの電気的不具合を容易に発見できる点検機器)
断線なので開放電圧も出ておらず、本来ならソコデスまで使わずとも、電圧を計るだけでも問題は見つけられる。(ソコデスを使った方が、断線箇所まで特定できるためずっと早く問題箇所を見つけられる)
ところが、前に点検したO&M業者は、「特に問題ない。電柱の影が~ 」と説明していたという。
これが意味するところは、
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の、どちらかだろう。
新エネルギーサポーターのスポット点検で、あっという間に発見できる、かなり初歩的なトラブルだったが、この程度でも見逃してしまう(?)O&M業者が存在することは事実。
ダメなところに頼んでも、問題を発見できず見逃してしまう、という実例で、似たような話は他でも散見される。
現時点のO&M業者のレベル差は、とんでもなく大きい、ということは覚えておくべきだろう。
(新エネルギー新聞 2016年11月掲載記事を一部編集)