(新エネルギー新聞 2021年11月掲載記事を一部編集)
エナジービジョンでは産業用太陽光発電のO&Mについて発電事業者から無料相談を受けているが、最近、多いのは「今のメンテを続けても良いのだろうか?」という相談だ。
発電所購入時に販売店から勧められるままにメンテナンスもセット契約したが、実際に何年か使ってみると、次のような不満が溜まってくる。
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第三者視点で、契約内容を確認すると、そもそもメンテ内容が正確に規定されていないことが多い。
例えば「年に1回点検・草刈り」とか、「毎月目視点検、発電に影響する雑草は適宜草刈り」などかなり大雑把だ。それで年間12万円~20万円で契約している。
たぶん提供している側も、どんなメンテをしたら良いのか分からず「こんな感じで良いか」程度で契約しているのだろう。どのような機器でどんな点検をするのかも不明だし、年1回の草刈りで良しとしている点も、メンテナンスの詳細を把握していないことが分かる。
雑草対策は最低でも、春に生える草と夏以降の草と、年2回は実施しないと発電量を大きく低下させる要因になる。
また「適宜草刈り」というのもあいまいだ。任せておけば良い具合にやってくれる、と発電事業者は期待するが、その期待はほぼ裏切られる。
実際に遠隔監視の過去データを解析してみれば、どのタイミングで草刈りしたのか、もしくはしていないのか、発電量の増減ではっきり分かる。
「適宜草刈り」で良くあるのが、購入後1~2年はそれほど問題ないものの、その後、大きく発電量が低下するパターン。新設時は、当然雑草など生えていないので最初は楽に対処できるが、3年目辺りから繁茂が激しくなり手に負えなくなるのだろう。
そして発電量の低下傾向を相談しても「雑草が思ったより伸びてる」とか「たぶん日射量が少ないから」とか「パネル汚れが原因だろう」などと、遠隔監視のデータを確認することもせず回答してくる。確かに雑草やパネル汚れが原因のことも多いので、結果オーライということもあるが、当てずっぽうで言われても納得しにくい。
販売時にセットのメンテナンスが、すべてダメな訳ではないだろうが、問題が多いのも事実。
O&Mは毎年掛かる必要経費で、決して安くない買い物だ。売電ロスを見逃すようなダメな内容なら早めに切り替えた方が良い。
エナジービジョンの無料相談なども活用して検討することをお勧めする。
(新エネルギー新聞 2021年11月掲載記事を一部編集)