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次世代型O&Mの今、連載開始!

次世代型O&Mの今

第5回 発電電力量解析・発電所検診の実施システム「発電奉行」(近日リリース!)

1.次世代型O&Mを実施するシステム「発電奉行」
 稼働中のO&M業務管理システム「PVトレーサビリティシステム」と連携し、
    次世代型O&Mの実施に必要な、主として次の3つの機能を提供します。
   (a) 発電電力量解析の実施(含、日射量マスタ)
   (b) 新検査の入力~リスクコストによる評価値の算定
   (c) 発電所管理に必要な不具合・事故・修繕等の履歴「PVカルテ」の作成
 当法人の会員の皆様への提供その他リリースへ向けて準備を進めています。

2.PVカルテについて
 分厚い保守点検報告書は、問題なしの記述と写真が大宗を占めています。
 肝心の指摘事項は、報告書が点検毎であることに加え、作成者により記述にばらつきがあるため、
 不具合等を時系列で把握するのが困難です。
 PVカルテは、不具合等の履歴を提供します。発電電力量解析結果の読み解きには、こうした履歴が必須です。
  
【「次世代型」と呼ぶのは】
 「次世代型O&M」とは、太陽光発電のO&M(運転・維持管理)のあるべき姿の提案です。
 例えば、業務用車両であれば、車検等とは別に、実車率などの効率的な運行管理や安全運転・省燃費運転が柱になります。
 太陽光発電事業に置き換えれば、売電収入の維持と事故防止、維持管理費用の削減です。
 やがて「次世代型O&M」が標準になるにつれ、「次世代型」の呼称はフェードアウトしていきます。

【ここに、問題構造の本質があります】(第4の再掲)
 「アパートオーナーは『被害者』なのに発電所オーナーは責められる。これは何故??」
 発電所オーナー、まじめな施工店の皆様には、次のURLから是非一度参照願います。
  https://pvom.jp/220126_apowner/

第4回 発電所検診により「まっとうな発電所」に見合う補償制度の構築へ向けて

1.発電所検診によるリスクコスト視点の評価(取組中)
  この評価は、過去の保険事故やその他のリスク情報を元にテーブルを決定します
  損害保険でいうところの「危険測定」に対応します。

2.リスクコストのイメージ(簡略例・事前対策なしのケース)
  (a) 国交省ハザードマップ想定浸水深2~3m地域
    発電所価格10,000千円として、10,000千円 × D_0.7 × F_1/50 = 140千円/年
  (b) カラスの落石(パネル破損)および猪の柵塀衝突の多発地域
    パネル交換100千円 × 2回/年+柵塀修理80千円 × 2回/年 = 360千円/年
  (c) 落雷多発市町村(当法人の補償事業実績から)
    48千円/年(多発以外の市町村 4.5千円/年)

3.高リスク発電所の当該コスト誰がを負担しているか
  現状では、損害保険会社と、一律の保険料を通して「まっとうな発電所」のオーナーが分担している、
  
といってよいでしょう。

  新設時に10年間の自然災害補償が付帯されている発電所の場合であっても、11年目から大きな保険料の
  負担に直面します。

  火災保険の例:保険金額10,000千円で、保険料が年10万円を超える地域もある。
4.リスク細分型の公平な補償制度により発電所再生の促進を目指して
  発電所検診の評価が保険料に反映する補償制度の構築に取り組んでいます。
  これにより、発電所のリスクコストを見える化することで、発電所再生の促進に貢献するもの思料します。

「アパートオーナーは『被害者』なのに発電所オーナーは責められる。これは何故??」
  昨日HPに掲載しました。次のURLから是非参照願います。
  https://pvom.jp/220126_apowner/

第3回 発電所の「そもそもの造り」を見る「発電所検診」

自然災害等の事故の大宗は、発電所の立地やそもそもの造りに由来しています。
従前のO&Mでは、ほぼ防げません。
1.保守点検と新たな検査「発電所検診」の違い
  ・保守点検は、不具合等の把握とそれによる修繕が目的
  ・発電所検診は、事故や発電阻害を引き起こすハザードが対象  

【保守点検に含まない項目の例】
 a.立地そのものの本源的リスク(洪水浸水、高潮浸水、急斜面等)
 b.設計仕様と概観の整合
 c.事故視点で見た地盤・基礎の適切性
 d.落雷多発地域、盗難多発地域などの立地由来リスク
 e.販売時の発電電力量シミュレーションと実態の整合 

2.発電所検診の事故ハザード評価の考え方
  リスクコストの考え方で評価します。
  リスクコストとは、事故防止の事前対策費用と事故発生により生じる損害・事故処理等の費用をいいます。
  このコストは、発電所により大きく異なりますが、今の太陽光発電の費用論議では、これが欠けています。
  ※試算段階ですが、一番条件の悪い発電所であれば年間数十万円に相当すると思料されます。
3.発電所検診の2つのアウトプット(目指す完成形)
  a.リスクコストによる評価値(→第4回へ続く)
  b.発電所の問題の仕訳(新設時由来か、後発のものか)

「アパートオーナーは「被害者」なのに発電所オーナーは責められる。これは何故??」
  この違いの構図を近々HPに掲載します。

第2回 売れ出しました! エナジービジョン社による実ビジネスの成果

エナジービジョン社には、当法人が提唱する「次世代型O&Mについて、実験的・先駆的に事業化に取り組んでもらっています。

1.ビジネス手法
 専らWEBを活用(告知~契約まで。含、ZOOM説明)

2.状況(定量指標)
 8月(本格的に開始)~12月10日現在全て新規先
  (1)契約:22発電所    
  (2)近々の契約見込み:41発電所
  (3)相談対応中: 52発電所       
  (4)新規の相談受付状況:毎週3~5名の発電所オーナー
   (1オーナーの所有発電所:平均5ヶ所程度)
3.上記発電所の状況(概括)
  ・従前からのO&Mでは、発電電力量を把握せずに保守点検等が行われていた。
  ・多くの発電所で、オーナーの想定以上に発電電力量が下落していた。
   →発電電力量解析で下落実態を把握し、売電収入確保のために行うべきことが明確になった。
4.次世代型O&Mの広い普及へ向けて
 エナジービジョン社へ、構築したビジネスモデルを他の員へ提供することを要請。
 3員の取組み準備をサポート中。                  

(参考)【エナジービジョン社のLP】次のURLから参照願います。
  https://energyvision.tv/lp001/

第1回 NEDO助成事業に採択/発電電力量解析について論文に整理

昨年3月にリリースした「次世代型O&M」(低圧)の今を5回に分けて報告します。

1.NEDO助成事業に採択
  当法人はエナジービジョンと共同で、NEDO助成事業「太陽光発電主力電源化推進技術開発/
   太陽光発電の長期安定電源化技術開発/安全性・信頼性確保技術開発」において採択を受けました。
           研究・開発テーマ 「次世代のO&Mを支える発電電力量評価等の技術開発」
      既に、現有技術により「次世代型O&M」の中で実施している発電電力量解析や「発電所検診」
 (事故ハザード視点の新たな検査)等について、
 実証・改良を目指して、11月中旬から改めて取組みを開始しています。
 研究・開発の成果は、「次世代型O&M」にフィードバックし、進化させてまいります。

2.発電電力量解析について論文に整理
  12ヶ月移動平均法により144の発電所の発電電力量の長期的傾向を解析した結果などを論文に整理しました。
 57の発電所(約4割)に年換算2%を超える発電電力量の下落が認められました。
  次のURLから参照願います。
   https://pvom.jp/news/jses2021_kaisekironbun/

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